
猫又
ねこまた
別名: 猫股
年を経た猫が変じた妖怪。尾が二股に分かれ、人語を解し、火を操り、死人を踊らせるとされます。
- 時代
- 鎌倉
- 地域
- 全国
- 分類
- 獣妖
画図百鬼夜行変身する妖怪
概要
猫又(ねこまた)は、長い年月を生きた猫が妖怪化したものとされます。最大の特徴は尾が二股に分かれる点で、これが「猫又」「猫股」の名の由来です。人語を理解し、二足歩行し、火を操る能力を持つとされます。
文献における初出
猫又についての早い記録の一つは、吉田兼好の『徒然草』(1330年頃)です。「奥山に猫またといふものありて、人を食らふなり」と記され、山中に棲む恐ろしい獣として語られています。その後の時代には、年老いた家猫が妖怪化するという話に変化していきました。
特徴と能力
- 二股の尾: 年を経るほど尾が二股に分かれていく
- 変化の術: 人間の女性に化けて人を騙す
- 火の操作: 火の玉を出したり、火事を引き起こす
- 死者を操る: 葬儀の際に死体を踊らせる(猫が死体をまたぐと死体が立ち上がるという俗信から)
猫の神秘
日本では古来、猫は霊的な力を持つと信じられていました。三味線の胴に張られた猫皮が音を奏でる文化や、招き猫として縁起物とされる側面もあります。一方、猫が家人の魂を奪い、その皮を被って人間のふりをするという怪談も多く語られました。
文化的影響
猫又は「化け猫」「猫の怪」と呼ばれる妖怪群の代表格として、江戸時代の怪談本や浮世絵に数多く描かれました。現代でも猫をモチーフにした妖怪・キャラクターの原型として広く参照されています。
出典
- 『画図百鬼夜行』 鳥山石燕 (1776)
- 『徒然草』 吉田兼好 (1330)


