
白容裔
しろうねり
別名: 白うねり
古い雑巾や布切れが妖怪化した付喪神。蛇のようにうねり動く白い布の姿で百鬼夜行の行列に加わる。
- 時代
- 江戸
- 地域
- 全国
- 分類
- 付喪神、屋敷妖
付喪神の行列画図百鬼夜行
概要
白容裔(しろうねり)は、古くなって汚れた雑巾や布切れが変化した付喪神です。鳥山石燕の『画図百鬼夜行』に登場する器物妖怪の一体で、白く(あるいは汚れて変色した)布がうねりながら動く姿が描かれています。名前の「容裔(うねり)」は波打ち・うねりを意味し、布や液体がゆっくりと動く様子を表しています。
姿と特徴
石燕の描く白容裔は、長い布や雑巾が空中でうねり、蛇のようにくねった姿で描かれています。頭部に相当する部分には目が現れ、全体的に半透明の白っぽい布の質感が表現されています。台所や風呂場・洗い場などで使われた雑巾が、長年の使用で汚れと垢が積もり、やがて霊性を帯びたものとする解釈が一般的です。
布と付喪神
日本の付喪神の世界では、織物・布・着物なども重要な妖怪の素材となります。布は人の体に直接触れる日常品であり、着物・帯・手ぬぐいなど多くの布製品に関連した妖怪が伝わっています。白容裔は特に、使い古されて捨てられる運命の雑巾という、最も地味な布製品が霊を宿すという逆説的な想像力から生まれた存在といえます。
清潔と不浄の境界
白容裔のような妖怪は、清潔と不浄の境界に関する日本の民間信仰とも結びついています。雑巾は汚れを拭うためのものであり、その汚れを蓄積した古い雑巾は「不浄」の象徴でもあります。日本文化では不浄なものには霊的な力が宿るという観念があり、特に水や垢にまつわる妖怪(垢嘗めなど)も同様の文化的背景を共有しています。
出典
- 『画図百鬼夜行』 鳥山石燕 (1776)


