
アマビエ
あまびえ
別名: 天彦、アマヒコ
肥後国の海中に現れ、疫病の流行を予言し「自分の姿を写して人々に見せよ」と告げた瑞獣。疫病除けの象徴として知られます。
- 時代
- 江戸
- 地域
- 九州
- 分類
- 海妖
水棲妖怪
概要
アマビエは、江戸時代末期の1846年(弘化3年)に肥後国(現・熊本県)の海中に現れたと伝わる予言獣です。長い髪と鳥のようなくちばし、三本足を持つ半人半魚の姿で描かれています。
原典記録
1846年の瓦版(当時の速報紙)によれば、毎夜海中で光るものがあるため役人が見に行ったところ、アマビエが姿を現しました。「当年より6か年の間、諸国で豊作が続く。しかし疫病が流行したなら、私の姿を写した絵を人々に見せよ」と告げて海中へ消えたとされます。
コロナ禍での再注目
2020年に新型コロナウイルス感染症が世界的に流行すると、アマビエが「疫病除けの妖怪」として急速に注目を集めました。SNSを中心に無数のアマビエのイラストが投稿され、マスク・食品・グッズに至るまでアマビエをモチーフにした商品が多数登場しました。
近縁の予言獣
アマビエと似た存在として「件(くだん)」「アマビコ」「神社姫」などの予言獣が江戸時代の瓦版に登場します。これらは疫病・戦争・飢饉などの災厄を予言し、自分の姿を見ることで難を逃れられると告げる共通の性格を持ちます。
文化的意義
アマビエは、古来より人々が「疫病から身を守るための呪符」として情報を広める行動を取っていた証左でもあります。現代のSNSでの拡散は、江戸時代の瓦版による情報伝達と本質的に同じ機能を果たしたと言えるでしょう。
出典
- 『肥後国海中の怪(瓦版)』 不詳 (1846)

