
鳳凰
ほうおう
別名: 鳳、凰、朱雀
徳のある天子が現れる時に姿を見せる不死の霊鳥。桐の木に宿り竹の実のみを食べ、五色に輝く羽を持つ。
- 時代
- 古代
- 地域
- 全国
- 分類
- 霊獣
霊獣・瑞獣
概要
鳳凰(ほうおう)は、中国と日本の伝統文化において最高の瑞鳥(めでたい鳥)とされる霊的な鳥です。雄を「鳳(おおとり)」、雌を「凰(おおとり)」と呼び、合わせて「鳳凰」と称します。徳の高い天子・君主が世を治める時に南方から飛来し、その出現は天下泰平の前兆とされました。日本では平等院鳳凰堂をはじめとする多くの寺院・神社・宮殿の建築装飾に使われてきました。
姿と特徴
鳳凰は複数の鳥の特徴を兼ね備えた複合的な姿をしています。頭は鶏・体は鴛鴦(おしどり)・首は蛇・尾は魚・背は亀・顎は燕・脚は鶴に似るとも言われます。羽には五色(赤・黄・青・白・黒)の鮮やかな色彩があります。桐の木以外には止まらず、竹の実(竹の花の後に実る実)以外の食べ物は口にしないとされ、その気高さを象徴しています。清らかな水のみを飲み、死肉は決して食べません。
日本への伝来と受容
鳳凰は飛鳥時代・奈良時代に中国から仏教文化とともに日本に伝わりました。奈良の唐招提寺や平等院の鳳凰堂(宇治、1053年建立)の大棟に設置された金銅鳳凰像は、当時の鳳凰崇拝の高さを示しています。紙幣(一万円札の平等院鳳凰堂)にも図案として採用されており、現代の日常にも溶け込んでいます。
朱雀との関係
日本では鳳凰はしばしば「朱雀(すざく)」と同一視または混同されます。朱雀は四神(青龍・白虎・朱雀・玄武)の一つで南方を守護する聖なる鳥です。朱雀は中国由来の四神思想に基づく概念であり、鳳凰とは本来別の存在ですが、「南方の霊鳥」という共通点から混同されることが多く、特に陰陽道・風水の文脈では同一視されることもあります。
出典
- 『山海経』 中国古典 (-300)
- 『和漢三才図会』 寺島良安 (1713)


