
麒麟
きりん
別名: 麒、麟
中国・日本の瑞獣の王。鹿の体に竜の鱗を持ち、仁徳ある君主が現れる前兆として出現する聖なる動物。
- 時代
- 古代
- 地域
- 全国
- 分類
- 霊獣
霊獣・瑞獣
概要
麒麟(きりん)は、中国と日本の伝統的な宇宙観における最高の瑞獣の一つです。龍・鳳凰・亀・白虎と並んで「五霊」「四霊」に数えられ、その出現は聖天子の治世・太平の世の到来を告げる吉兆とされました。麒麟が現れる時代には戦乱がなく、万民が幸福に暮らすとされ、逆に乱世には姿を見せないとも言われています。
姿と特徴
麒麟は複合的な動物の特徴を持ちます。体は鹿に似て大きく、鱗は竜のものを持ち、尾は牛に似ており、蹄は馬のものを持ちます。頭には一本の肉角(肉に覆われた柔らかい角)があります。体色は五色(青・赤・黄・白・黒)に輝くとも、赤や黄金色をしているとも伝えられます。最大の特徴は、その仁徳の深さです。草を踏まず、生き物を傷つけず、極めて穏やかで徳の高い動物とされています。
中国と日本の麒麟伝承
中国の史書では、孔子の生誕・死の際に麒麟が現れたとされ、聖人の誕生・死と結びついています。日本では飛鳥・奈良時代以降に中国の瑞獣思想が伝来し、麒麟は朝廷の吉兆を告げる神聖な存在として受容されました。室町・江戸時代の絵画・工芸品・陶芸にも麒麟の図像が多く残されており、吉祥のシンボルとして広く愛されてきました。
現代における麒麟
現代日本語で「きりん」はアフリカのジラフを指す言葉としても使われますが、これは江戸時代末期から明治時代にかけてジラフが日本に紹介された際、その長い首を麒麟になぞらえたことに由来します。ビールのブランド名「麒麟(KIRIN)」はこの霊獣にちなんでおり、現代でも麒麟の名と姿は日本文化に深く根ざしています。
出典
- 『和漢三才図会』 寺島良安 (1713)
- 『山海経』 中国古典 (-300)


