
狐
きつね
別名: 化け狐、白狐、九尾の狐
変化の術に最も長けた妖怪。尾の数が増すほど力が強まり、九尾になると神格を持つとされます。
- 時代
- 平安
- 地域
- 全国
- 分類
- 獣妖
変身する妖怪
概要
狐(きつね)は、日本の妖怪・霊獣の中で最も複雑な位置を占める存在です。変化の術を極めた妖怪としての側面と、稲荷神の使者・神狐としての神聖な側面を併せ持ちます。年を経るごとに尾の数が増し、九本の尾を持つ「九尾の狐」になると神の域に達すると言われます。
変化と騙し
狐は人間、特に美しい女性に化けることを得意とします。男性を誑かし財産を奪う「化け狐」の話は無数にあります。一方で「狐の嫁入り」と呼ばれる晴れているのに雨が降る現象など、自然現象と結びついた伝承も豊富です。
稲荷神との関係
稲荷神(お稲荷さん)の使者として、全国の稲荷社に祀られています。稲荷神社は全国に約3万社あり、最も多い神社の一つです。白い狐像が社前に対で置かれる姿は日本文化の象徴的な光景です。
九尾の狐・玉藻前
中国から伝わった九尾の狐伝説は、日本では「玉藻前(たまものまえ)」として語られます。インドから中国・日本へと渡り、各国の帝王を惑わしたとされる九尾の狐が、鳥羽上皇の寵妃・玉藻前に化けて日本を乱そうとしたが、陰陽師に正体を見破られ那須野が原で退治されたという物語です。退治後は那須野の殺生石となったとも伝わります。
文化的影響
「きつねうどん」「稲荷寿司」など食文化にも狐の名が残り、歌舞伎「義経千本桜」の狐忠信など芸能にも深く浸透しています。現代のゲーム・アニメでは神秘的な美女や強力な召喚獣として頻繁に登場します。
出典
- 『今昔物語集』 不詳 (1120)
- 『玉藻前物語』 不詳 (室町時代)


