
木霊
こだま
別名: 樹霊、こだまさん
古木に宿る精霊。山彦(やまびこ)はその声とも伝わり、古代から森と人の関係を結ぶ神秘的な存在です。
- 時代
- 古代
- 地域
- 全国
- 分類
- 山妖
山の霊
概要
木霊(こだま)は、樹齢を重ねた古木に宿る精霊です。日本では古くから木には霊が宿ると信じられており、特に大きな木や長寿の木には強い霊力が宿るとされてきました。「山彦(やまびこ)」、つまり山や森でこだまする声の正体も木霊の仕業と伝えられています。
信仰の歴史
木に宿る霊への信仰は縄文時代にさかのぼるとされ、『古事記』や『日本書紀』にも木の神・木の霊への言及があります。神社の御神木(ごしんぼく)として特定の木を神聖視する習慣は全国に根付いており、注連縄(しめなわ)を巻いた大樹は今も各地に見られます。神宮・神社の鎮守の森は木霊を宿す場として守られてきました。
やまびこと木霊
「こだま」という言葉は「木(こ)の霊(たま)」に由来するとされ、山中で声や音が反響する現象(やまびこ)を木霊が応答していると解釈してきました。「こだまする」という言葉は今も日常語として使われており、音が響き返るという物理現象に霊的な解釈を重ねた日本文化の特徴が表れています。
現代での表現
宮崎駿監督の映画『もののけ姫』(1997年)に登場する白い小さな木霊が世界的に有名になり、森の精霊としてのイメージが広まりました。森林破壊・環境問題と結びつけて語られることも多く、自然と共存する日本的な精神性を象徴する存在として再解釈されています。
出典
- 『古事記』 太安万侶 (712)
- 『妖怪談義』 柳田國男 (1956)

