
塗壁
ぬりかべ
別名: ぬりかべさん
夜道を突然壁で塞ぐ妖怪。福岡県遠賀郡に伝わり、足元を棒で叩くと消えるとされます。
- 時代
- 江戸
- 地域
- 九州
- 分類
- 道妖
九州の妖怪
概要
塗壁(ぬりかべ)は、福岡県遠賀郡を中心とした九州北部に伝わる妖怪です。夜、道を歩いていると突然目の前に見えない壁が出現し、どちらに向かっても進めなくなるという怪異を指します。
特徴と対処法
塗壁そのものの姿形については伝承によって異なりますが、目に見えない壁として道を塞ぐという点では一致しています。対処法として伝わるのが「足元を棒で叩く」こと。低い部分を打つと壁が消えて先へ進めるようになると言い伝えられています。上部を叩いても効果がないため、地面近くの弱点を狙うことが肝心とされます。
水木しげると現代
水木しげるの『ゲゲゲの鬼太郎』では、塗壁は鬼太郎の仲間として登場します。巨大な白い壁状の体を持ち、のんびりとした性格として描かれています。原作の不気味な通せんぼ妖怪というイメージから一転し、愛嬌ある存在として定着しました。現代では鳥取県境港市の水木しげるロードでもキャラクター像を見ることができます。
民俗学的解釈
「見えない壁」という現象は、暗闇の中での方向感覚の喪失や、濃い霧・茂みによる進行妨害が妖怪として語られるようになったものと考えられています。夜道での不思議な体験を説明するための装置として、各地でさまざまな形の「道を塞ぐ妖怪」伝説が生まれています。
出典
- 『今昔百鬼拾遺』 鳥山石燕 (1781)
- 『妖怪大全』 水木しげる (2004)

