山女

山女

やまめ

別名: やまめ、山姫

東北・中部の山奥に棲む女性の妖怪。山仕事の男を惑わせて深山へ誘い込み、共に暮らそうとする山の精。美しい姿で現れることが多い。

時代
不詳
地域
東北、中部
分類
山妖、水妖
山の霊

概要

山女(やまめ)は、東北・中部地方の山岳地帯に棲む女性の妖怪で、山の精としての性格を持ちます。木こりや狩人・山仕事の男性の前に美しい女性の姿で現れ、その男を深山に誘い込んで共に暮らそうとするとされます。山女に連れて行かれた者は長い間山から戻れなくなるか、時間の感覚を失って帰ってきたときには年を取っていたという話が伝えられます。

姿と特徴

山女は多くの伝承で美しい女性として描かれますが、その美しさには異質さが伴います。人間の女性と見分けがつかないほど精巧な容姿をしていますが、肌が白すぎる・髪が長すぎる・足が地面についていないなど、何かが違うと感じさせる特徴があります。山の中では力が強く、大木を難なく動かしたり、人間には不可能な行動をとったりするとされます。

柳田國男の記録

柳田國男の『遠野物語』(1910年)には、山女に関連する伝承が収められています。遠野地方では「山人(やまびと)」と呼ばれる山中の異人の存在が語られており、山女はその女性版として位置づけられます。山で出会った異人の女性との交流・恋愛・誘惑というモチーフは、遠野に限らず東北・中部各地に広く分布しています。

山の精としての性格

山女は単なる妖怪ではなく、山そのものの精霊・山神の眷属として捉えられることもあります。山の霊的な力を体現した存在として、山仕事をする人々に畏敬の念をもって語られてきました。近づかない・声をかけない・視線を合わせないなど、山女に対する禁忌も伝えられています。

文化的影響

山女のモチーフは現代の文学・ゲーム・漫画において「山の美しい女性妖怪」として様々な形で登場します。ヤマメとも呼ばれる魚の名称もこの妖怪に由来するという説もあります。

出典

  • 遠野物語 柳田國男 (1910)

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