口裂け女

口裂け女

くちさけおんな

別名: 口裂き女

マスクをした女性が「私、きれい?」と問いかけ、外すと口が耳まで裂けている。1970年代末に全国へ広まった都市伝説。

時代
不詳
地域
全国
分類
道妖

概要

口裂け女(くちさけおんな)は、日本を代表する現代の都市伝説の一つです。マスクをした若い女性が一人歩きの通行人、特に子供に近づき「私、きれい?」と問いかけます。きれいと答えるとマスクを外し、耳まで裂けた大きな口を見せ「これでもきれい?」と再び尋ねます。どう答えても恐ろしい目に遭うとされるため、逃げる方法が子供たちの間で広まりました。

伝説の広まり

口裂け女の伝説は1978年から1979年頃に岐阜県で発生したとされ、またたく間に日本全国へ広まりました。当時はSNSもインターネットもない時代でしたが、子供から子供へ、学校から学校へ、口コミという形で驚異的なスピードで全国に伝播しました。一部の地域では実際に学校が集団下校を実施するほど恐怖が広まったと言われています。

伝説の内容と逃げ方

口裂け女の質問に対する答え方によって展開が変わります。「きれいじゃない」と答えると鎌で切られる、「きれい」と答えても次の質問に正しく答えられないと追われるとされます。逃げ方としては「ポマード」と言うと怯む、飴を与えると数える隙に逃げられる、転べばいい(口裂け女は走るのが早いが転ぶ)などのバリエーションが語り継がれました。

現代への影響

口裂け女は映画・漫画・ゲームなど数多くのメディアで取り上げられており、日本のホラー文化の象徴的な存在となっています。日本国外でも「Kuchisake-onna」の名で広く知られており、アジア各地に類似した伝説が存在することも指摘されています。

現代の都市伝説研究では、口裂け女の広まりは口コミによる情報伝播の速度と社会的な不安(当時の子供の安全に対する親の不安など)が組み合わさったものと分析されています。

伝統的妖怪との関係

口裂け女は近現代の産物ですが、口が大きく裂けた女性の怪異というモチーフは、日本の古典的な怪談にも先例があります。口が大きく裂けた鬼女の描写は絵巻物などにも登場しており、口裂け女は古典的な怪異のモチーフを現代的にアップデートした存在とも解釈できます。

出典

  • 妖怪談義 柳田國男 (1956)

関連する妖怪